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『源氏物語』現代語訳を読むならば?

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目次

「源氏物語」読んでみませんか?

 千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」。“世界最古の女性文学”と言われ、紫式部は来年のNHK大河ドラマの主人公に選ばれるなど、再び脚光を浴びています。しかし一方で、源氏物語については「名前とあらすじは知っていても、最後まで読んだことはない」という方も意外と多いのではないでしょうか?学校の授業では必ず登場するこの物語、実はかなりの長編で全てを通しで読むのは中々大変な作業です。

おぎ

源氏物語は全54帖からなる超大作!光源氏の誕生から始まって
その息子、孫の代まで長〜く話が続いてるのよね

たま

でも、源氏物語は話が長すぎる故に挫折する読者も多数!
“須磨がえり”って言葉があるぐらいだからさ

おぎ

第12帖「須磨」で、源氏は女性関係でおいたをして
最愛の妻・紫の上を残して自ら須磨に旅立つのよね

たま

その続きの第13帖「明石」で、例の明石入道が頑張って
娘を源氏に嫁がせることに成功するんだったよね

おぎ

この須磨、明石辺りで挫折して放置してしまいがちなんだよね!
んで、しばらく経ってから「また最初から読み直すか〜」ってね

たま

須磨から源氏が京都に戻る「須磨帰り」じゃなくて、途中で挫折
した読者が冒頭まで戻ってまた読み直す
方の「須磨がえり」

おぎ

心が折れそうになるかもしれないけど、須摩の先も面白い話が
たくさんあるから是非読み通していただきたい!!

こちらのPodcastで「明石入道」について友語りしております。よろしければ合わせてどうぞ

時も国籍もこえ読み継がれる稀有な物語

 その長さや複雑な人物関係も相まって『有名だけど、通読しにくい物語』と思われがちな源氏物語ですが、30ヶ国語以上の言語に翻訳され海外でも読まれています。これは、それだけ物語として魅力があるということではないでしょうか?
物語の面白さという観点では、過去から今現在に渡って多くの著名な作家が現代語訳に挑んできたという点も見逃せません。もし、古典の授業で「源氏物語」と出会い、「なんだか難しそう」「どこが面白いのかわからない」と感じている方がいらっしゃったら、一度現代語訳で源氏物語に触れてみて欲しいと思います。物語の概要が頭に入れば、原文を見たときに脳内で物語が自然と補完され、よりわかりやすく楽しく読むことができるはずですよ。

おぎ

現代語に翻訳した人、そして翻訳された時代によって
読んだときに受けるイメージが結構違うよね

たま

げにげに!物語として読んでいくと、教科書で
一部分だけ読んだ時とは受ける印象もかなり変わる

現代語訳、どれから入った?

たま

おぎちゃんのファースト源氏は誰版だったの?

おぎ

私は「与謝野源氏」だよ!

与謝野晶子 翻訳版

歌集「みだれ髪」などで知られる歌人・与謝野晶子は古典文学の研究にも取り組み、源氏物語を生涯で3度も現代語訳しています。一度目は明治から大正にかけての「新訳源氏物語」、2度目の翻訳原稿は関東大震災で原稿が消失(!なんということ)、そして3度目が昭和初期の「新新訳源氏物語」です。


「全訳 源氏物語 −新装版」

源氏物語一千年紀に蘇る、
瑞々しい与謝野源氏の決定版!

2008年発売 角川文庫

おぎ

「与謝野源氏」は原文に忠実古風な感じが私好み

たま

翻訳に挑んだ時代の風も感じるね

円地文子 翻訳版

1967年から6年の歳月をかけて源氏物語の現代語訳に取り組んだ円地文子円地源氏は、昭和を代表する源氏物語現代語訳の一つ。たまは新潮文庫版を持っていますが、全6冊の解説担当者が、瀬戸内寂聴さん、山本淳子さん、林真理子さん等など、超豪華メンバー!
第一巻の帯に書かれた瀬戸内寂聴さんのコメント「なんといっても訳文が艶麗で美しい」、これが円地源氏の魅力を端的に表してくれています。


「源氏物語 一〜六」

“至高の名訳”と呼ばれた円地源氏
2008年に6冊刊行された

2008年発売 新潮文庫

たま

単純にとっても読みやすいです、そして文章が丁寧
なんか読んでて安心します

おぎ

それぞれの巻末に載ってる解説文にも興味津々だわ!

他にも気になる現代語訳

おぎ

鮮烈に記憶に残ってるのが「橋本源氏」
源氏が一人称で語るので男性目線なんだよね


「窯変 源氏物語」橋本治 著

“原作の行間に秘められた心理的葛藤を読み込み壮大な人間ドラマを構築した画期的現代語訳”

1995年発売 中公文庫

たま

「田辺源氏」も大好物です!
源氏がグッと親しみやすく感じられるよ


「新源氏物語 」田辺聖子 著

“光源氏の愛と葛藤の物語を、新鮮な感覚で<現代>のよみものとして描いた大ロマン長編”宝塚で舞台化もされました

2008年発売 新潮文庫

おぎ

大塚ひかりさんのエッセイはとっても面白いから
源氏物語をどう料理してくれてるのか興味津々!


「源氏物語 」大塚ひかり 著

“「現代は、平安時代ととても似ている」と現代の平安化を唱える古典エッセイスト”が描く源氏物語とは?

2008年発売 筑摩書房

たま

今、気になってるのは角田さん現代語訳の源氏!
出版社が現代語訳で挫折した人に猛プッシュしてる

おぎ

確かに、【この角田訳なら必ず最後までたどりつけることをお約束します。】って書いてあるね


「源氏物語」角田光代 著

“角田光代訳『源氏物語』は、何より読みやすさと、昔も今もつながる感情を重視! ”

2017年発売 河出書房新社

みなさんは、どの現代語訳版「源氏物語」が気になりましたか?お気に入りの文体を探して、是非源氏物語を楽しんでみてくださいね。

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